発信が苦手なお子さまを支援—ぽぷらの樹平野が行うソーシャルスキルトレーニングとは?
「お友達となかなか遊べない」「お話が一方的になってしまう」「すぐにお友達に手が出てしまう」「『痛い』『助けて』を言えるようになって欲しい」——これらは、ぽぷらの樹平野に見学に来てくださる保護者様からよく聞かれるお悩みです。
コミュニケーションに苦手意識を持つお子さんは、【どう言えばいいのか分からない】と感じることが多いです。
ぽぷらの樹平野では、「今どんな気持ち【状況】なのか」を聞き出し、スタッフがそれを言葉にして、お子さんが自分の思いを伝えられるようにサポートしています。
ここからは、ぽぷらの樹平野で実際にあったエピソードをご紹介します。
事例:AくんとBくんのケース
年長のAくんが、Bくんが一生懸命描いた絵をビリビリっと破ってしまいました。
園や家庭では、こうした場面で「こら!何してるの?ダメでしょう!」とすぐに怒り、謝らせて解決とすることが多いかもしれません。
ぽぷらの樹平野でも、当然ながらAくんの行動を注意します。
人が頑張って作ったものを壊してしまうのはいけないことだからです。
しかし、怒る前にまずAくんに「どうしてお友達の絵を破ってしまったの?」と理由を聞きました。
すると、Aくんは「だって、BくんがAくんのカバンに付けていたピクミンのストラップを勝手に触ってたから」と、自分なりの理由をスタッフに伝えてくれました。
実際、その日Aくんが持ってきたカバンには新しくつけたピクミンのストラップがあり、Bくんは何度もそれに触れていたことが確認されました。
Aくんが「ダメ!」と怒っていても、Bくんは止めませんでした。
スタッフが間に入り、「Aくんが嫌がっているから触らないようにしようね」と注意し、その後Bくんは触らなくなりました。
しかし、Aくんの話を聞いてみると、Bくんはスタッフが見ていない時に再びストラップに触っており、Aくんが「やめて」と言う前に触るのをやめていたとのことでした。
スタッフはその話を聞き、「話してくれてありがとう」とAくんに感謝の言葉を伝え、Bくんからも話を聞いた後、2人を呼んで話し合い、仲直りをしました。
「声にならない声」を聴く大切さ
園や家庭では、「AくんがBくんの絵を破ってしまった」という【表面的な事実】に焦点が当たりがちで、Aくんだけが怒られることが多いかもしれません。
しかし、ぽぷらの樹平野では、「なぜ、破ってしまったのか」という理由を聞き、子どもたち自身の言葉を大切にしています。
ぽぷらの樹平野には、Aくんのように「理由があってもなかなか言い出せない」お子さんが多く通っています。
スタッフは、そんなお子さんたちの声に耳を傾け、話してくれたことに「ありがとう」と感謝の気持ちを伝え、どうしたら良いかを一緒に考え、共に実践しています。
SST(ソーシャルスキルトレーニング)の日常実践
ぽぷらの樹平野では、【本人の思いを言葉にして伝えるお手伝い】をすることを重視しています。
これが、SST(ソーシャルスキルトレーニング)の一環として、日常的に行われています。
スタッフは常に、児童たちの「声にならない声」に耳を傾け、彼らが安心して自分の思いを表現できる環境を整えています。