【統合失調症と運動】驚きの効果とは?最新研究が明かすメリット

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白ゆりグループ

統合失調症と運動:生活の質を高める新しい治療法

統合失調症は、幻覚や妄想、思考の混乱などが特徴的な精神疾患で、患者の生活に多大な影響を与えます。
一般的には薬物療法が治療の中心ですが、近年、「運動療法」に注目が集まっています。
この記事では、統合失調症と運動の関係、特に「運動できない」と悩む人への対処法や、具体的な運動の効果、そして白ゆりグループやぽぷらの樹東住吉でのサポートについて詳しく解説します。

統合失調症と運動の関係

統合失調症患者は、日常生活の中で運動習慣を維持することが難しく、身体的健康リスクも高まりがちです。
しかし、運動には以下のような効果が期待されています。

1. メンタルヘルスの改善

統合失調症の主な症状の一つである「陰性症状」(無気力、社会的引きこもり、感情の平坦化など)に対し、定期的な運動が改善をもたらすことが研究で示されています。
特に、ランニングやウォーキングなどの有酸素運動は、

  • 気分の向上
  • ストレスホルモン(コルチゾール)の減少
  • セロトニンやドーパミンの分泌促進 などの効果をもたらします。

さらに、運動を通じて社会的な交流が生まれることも精神的健康の向上に寄与します。グループエクササイズや散歩を通じて他者と関わることで、孤独感の軽減や自己肯定感の向上が期待されます。また、定期的な運動は生活のリズムを整え、不眠の改善にもつながるとされています。

精神的な安定に加え、運動はストレスの管理にも役立ちます。
深呼吸を取り入れたストレッチや軽いヨガを行うことで、リラックス効果が高まり、自律神経のバランスが整うとされています。

これにより、不安感や抑うつ症状が和らぎ、日常生活への意欲が向上する可能性があります。

2. 認知機能の向上

統合失調症患者の多くが、記憶力や集中力の低下に悩んでいます。
有酸素運動は、「脳由来神経栄養因子(BDNF)」の分泌を促し、脳の神経可塑性を高めることで、

  • 作業記憶
  • 注意力
  • 問題解決能力

などの向上につながるとされています。【Firth et al., 2016】

さらに、運動によって脳の血流が増加し、前頭前野の機能が活性化されることも確認されています。これにより、認知の柔軟性や意思決定能力の向上が期待できます。また、定期的な運動習慣を持つことで、学習能力や情報処理速度の向上にもつながるとされています。

特に、バランスを必要とする運動(例: ヨガ、太極拳)は、体のコントロールを意識することで脳の統合機能を強化し、実行機能(計画力や判断力)の向上にも寄与すると考えられています。

こうした運動を取り入れることで、統合失調症患者の認知機能の向上が期待されます。

3. 身体的健康の向上

統合失調症患者は、薬の副作用や生活習慣の乱れにより、肥満や糖尿病、心血管疾患のリスクが高くなります。運動を継続することで、

  • 体重管理
  • 血糖値の安定
  • 心肺機能の向上
  • 筋力の維持・向上
  • 血圧のコントロール が期待されます。

特に、8週間の運動プログラムを実施した研究では、体重減少と血糖値の改善が報告されています。【Nasution et al., 2021】
また、週3回以上の有酸素運動を継続することで、血中の悪玉コレステロール(LDL)値の低下や、良好な血流を促す効果も確認されています。

さらに、筋力トレーニングを組み合わせることで、骨密度の向上にもつながり、加齢による骨粗鬆症リスクの軽減にも役立つとされています。
運動を習慣化することは、統合失調症患者の健康維持において非常に重要な要素であると言えます。

「運動できない」と悩む人への対策

統合失調症の症状がある方の中には、「運動を始めるのが難しい」と感じる方も多いでしょう。
そのような場合、以下のステップを取り入れることで、運動習慣を身につけやすくなります。

1. 環境を整える

まずは、日常生活の中で「動く習慣」を作ることが重要です。
例えば、毎日のルーチンの中で意識的に体を動かす時間を作りましょう。

  • 階段を使う、短時間のストレッチを行う、買い物や通勤の際に少し遠回りして歩くなど、小さな運動から始めることが効果的です。
  • 座りがちな生活を避けるため、30分に一度は立ち上がり、軽い体操やストレッチを取り入れることで、運動を日常に組み込むことができます。
  • テレビを見ながら足踏み運動をしたり、電話中に軽く歩いたりするなど、普段の生活の中に自然と運動を取り入れる工夫も有効です。

2. 支援サービスを活用する

生活介護施設などで提供される運動プログラムに参加することで、運動のハードルを下げられます。
白ゆりグループのプログラムでは、

  • 軽いストレッチ
  • 集団での運動
  • ゲーム感覚のリハビリ運動 など、無理なく始められるメニューが用意されています。

3. モチベーションを維持する

  • 運動日誌をつけることで達成感を得るとともに、自分の成長を可視化する
  • 音楽を聴きながらウォーキングや軽いダンスをすることで、楽しみながら運動を続ける
  • 周囲の人と一緒に取り組むことで継続しやすくなり、励まし合うことでモチベーションを高める

具体的な運動プログラムの紹介

白ゆりグループの生活介護サービス

大阪市平野区を拠点とする白ゆりグループでは、生活介護サービスの一環として運動プログラムを提供しています。

1. 軽いストレッチ&ヨガ

  • 呼吸法を重視し、リラックス効果を高める
  • 柔軟性を向上させ、身体のこわばりを軽減

2. 音楽に合わせた軽運動

  • リズムに乗って体を動かすことで、楽しく運動できる
  • ダンス要素を取り入れることで、脳の活性化にもつながる

3. ウォーキング&簡単な筋トレ

  • 屋外ウォーキングを通じて、日光を浴びながら体を動かす
  • 自重を使った軽い筋トレで体力向上を目指す

まとめ:運動がもたらす統合失調症治療の新たな可能性

運動は、統合失調症治療において薬物療法を補完する重要な手段です。継続的な運動は、

  • メンタルヘルスの改善(ストレスの軽減、気分の安定、自律神経のバランス調整)
  • 認知機能の向上(記憶力、集中力、問題解決能力の強化)
  • 身体的健康の維持(体重管理、心肺機能の向上、筋力増加) に役立つことが研究で示されています。

特に、運動を習慣化することで睡眠の質が向上し、日常生活における活動量の増加につながります。
また、体を動かすことによる達成感や成功体験が、自己肯定感の向上や社会的なつながりの強化にも寄与します。

白ゆりグループやぽぷらの樹東住吉では、利用者が楽しく継続できる運動プログラムを提供し、患者の生活の質向上を支えています。
これにより、統合失調症患者が自らの健康を管理し、より充実した日常生活を送るためのサポートが可能となります。

運動療法を取り入れ、新しい希望を見出す第一歩を踏み出してみませんか?
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参考文献

Nasution, N. M., et al. (2021). Effect of Aerobic Exercise in Positive and Negative Symptoms in Schizophrenia.

Rimes, R., et al. (2015). Effects of Exercise on Physical and Mental Health, and Cognitive and Brain Functions in Schizophrenia: Clinical and Experimental Evidence.

Firth, J., et al. (2016). Aerobic Exercise Improves Cognitive Functioning in People With Schizophrenia: A Systematic Review and Meta-Analysis.

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